第39回東海北陸理学療法学術大会

併催第32回 石川県理学療法学術大会

大会長挨拶

大会長
野口雅弘(金城大学)

大会長 野口雅弘(金城大学)

 これまで理学療法の対象は法律的観点からも身体に障害のある者を主な対象としてきましたが、近年ではその必要性から高齢者における予防分野での取り組みに拡大しています。さらに運動機能に関する高い専門性から、学校保健分野や運動施設、一般企業など、様々な領域ではっきりとした障害を持たない多くの対象に必要とされる社会的ニーズがあります。このような近年の職域拡大は、より集団に対する予防的介入が軸となります。これはまさに公衆衛生学の考え方であり、これからは公衆衛生学的観点に基づいた理学療法の展開が必要不可欠になると考えられます。日本理学療法士協会では、2022年4月より新生涯学習制度を開始し、ジェネラリストである登録理学療法士の養成を開始しました。これからの理学療法は総合的理学療法である登録理学療法士(ジェネラリスト)が土台となり、医療分野だけでなく介護保険やスポーツ分野、健康増進分野など個人や集団に対する専門性を高める専門理学療法士・認定理学療法士養成が深化していきます。この集団に対する予防的理学療法介入は公衆衛生学的理学療法を意味し、これら個人や集団に対する理学療法介入が様々な社会的ニーズに対応できる職域の拡大を実現します。

 本学術大会は、上記の背景からテーマを「公衆衛生学的理学療法の発展―ジェネラリスト養成と専門分科の深化―」としました。新しい理学療法の可能性を模索し、参加される皆様に未来の理学療法を考えるきっかけとなる大会にしたいと考えております。
 2020年以降新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの学術大会はオンラインが主体となっておりましたが、本学術大会は対面開催を目指して鋭意準備中です。大会テーマに即したシンポジウムや特別公演に加え、地域ブロック大会は全ての専門分野が一堂に会す連合大会となりますので、教育講演では様々な専門領域のエキスパートの講演を予定しています。また、対面での口述発表やポスター発表も実施したいと考えております。

 学術大会の2日間、一部の制限は必要かもしれませんが、感染対策を施して多くの皆様が参加できる、以前までの「いつも通りの学術大会」の復活を目指します。
 ぜひ、多くの皆様に石川県小松市にお越しいただき、久しぶりの交友や観光などで学会参加を楽しんでいただきたいと思います。
 歌舞伎の街小松でお待ちしております。

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